2023年5月8日の「SALUS Well-being」創刊号の発行から1年が経ったことを記念して、「SALUS Well-being」創刊号の巻頭特集「佐治晴夫先生に聞く、人生100年時代を幸せに生きるには?」を前編・後編に分けて掲載いたします!
それでは、「佐治晴夫先生に聞く、人生100年時代を幸せに生きるには?《前編》」をお楽しみください!!
2023年1月に米寿を迎えた理学博士の佐治晴夫先生に、
“ウェルビーイングな生き方”について伺いました。
これまでの人生88年を振り返ってみると、まるで夢のようです。太平洋戦争から戦後の混乱期を経て学生時代までを第1楽章とすれば、研究者時代が第2楽章、リベラルアーツ教育に明け暮れた日々が第3楽章、公職を辞した後、仕事場を北海道・美瑛町に移し、庭先には、幼少時からの夢だった小さな天文台を作り、町には公立天文台を設置、神奈川県と行き来しながらの現在が第4楽章です。そして、仕事場には、自分のピアノとパイプオルガン練習用の電子オルガンを持ち込み、キタキツネ相手にぽつりぽつりとお稽古していると、悪性がんで余命宣告されていることなど忘れてしまいます。苦労はあっても人生がより一層楽しく豊かになったのは、50歳を超えてから。「SALUS」での連載「宇宙のカケラ」も8年目に入り、読者の皆さんとのさらなる出会いが元気のもとになっています。
SALUSで連載中のエッセーより77編をまとめた1冊。
佐治晴夫先生が考えるWell-being
1.幸せは良い思い出と感謝のなかに
「今日も一日、おつかれさまでした」。お休み前のひととき、ご自分に声をかけてあげましょう。それは、「今」という瞬間の肯定であり、今日も生きていてよかった、ということへの感謝です。しかし、現実は、そんなに生易しいものではないかもしれません。そんなときには、どんな小さなことであっても、かつて、幸せだと感じたあのひとときのことを意識的に思い返し、五感をフル稼働して、そのときの感情にひたってみることが気持ちのリフレッシュにつながります。さらに、今日一日のなかで、感謝したい出来事、人の役に立てたことを探し、振り返ることで、明日への元気が湧いてくること必至です。
2.豊かな人間関係は、自分の価値観を棚上げした先に
人はひとりで生きることはできず、身近な家族から社会全体に至るまで、たくさんの人たちとのお付き合いのなかで生きています。ところが、相手の心を直接見ることはできませんから、相手の気持ちなど、霧のなかです。その結果、自分の価値観を基準にして話をすることになりますから、当然、かみ合わなくなり疲弊してしまいます。そんなときには、一旦、自分の価値観を棚上げして、双方の共通の利益に結びつくようにスライドさせていくことが、相互理解への第一歩になります。共通の気持ちを見つけるための因数分解です。そこから一緒にパンを分け合うという意味の「コンパニオン(仲間)」が誕生します。
3.病は人生における最高の先生です
自然界は、対極の性質がバランスを保つことで存在しています。等量のプラス電荷とマイナス電荷がバランスをとって安定な物質を作っているように。楽器も弾き込まれてすり減っていくと、すばらしい音が出るように変わっていきます。人間の体も同じで、病は、これまでの不注意を教えてくれますし、病になったからこその気づきもあります。その健康と病の対極の関係を橋渡ししてくれる機能が、もともと体に備わっている自然治癒力です。病との積極的な闘いは、双方ともに疲れますから、できるだけ避け、医療行為は自然治癒力をサポートするものと考えましょう。今、できることを精いっぱい楽しんで過ごすことが最高の治療になります。
《前編》終わり
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