2023.12.28

「幸せも健康のように管理できる?」前野隆司×前野マドカ 取材こぼれ話(1)

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文/開 洋美 写真/安彦幸枝

 SALUS Well-being Vol.2の巻頭特集『前野隆司×前野マドカ~幸福学の第一人者・実践者に聞く「人は誰でも幸せになれる?」』の多くのご好評の声をいただいています。ここでは、紙面の制約で掲載できなかった取材内容を、ショートコラムとして連載していきます!

さぁ、どんなお話しが聞けるんでしょう、楽しみですね。
第1回は、「健康と幸せはこんなに似ている?!」です。

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― 健康管理という言葉があるように、“健康”はある程度コントロールできると思われています。
でも、“幸せ”になるのは「それは運でしょ?」となってしまいがちです。それはなぜでしょうか??

 

隆司氏 | 「幸せに気をつける」という概念が浸透していないのは、「幸せの学問」が遅れてやってきたからだと思います。

「健康に気をつける」という「予防医学」は、100年も前から広がっているので、世の中に浸透しています。

 一方で、「幸せの学問」は、研究者から見ると、近年、明らかになってきていることがたくさんありますが、比較的新しい分野なので、一般にはまだ普及していません。

ですから、わたしは、この記事をきっかけに「幸せは気をつけられるんだな」という理解が広まると良いなと感じています。

 

 幸せ、健康と来ると、「心の健康」となりますが、鬱や神経症と言った「心の病」は、「幸せじゃない心の状態」ということになります。

普段から、幸せに気をつけていれば、辛いことがあったら人に相談するとか、意識してリラックスする、“なんとかなるよ”って思うようにするといったように、対処法は色々あると思います。

 かつての「恥ずかしくて鬱について人には言えない」というような時代から、近年は「心の風邪」というように、患ったら普通に休みましょうという時代になって来ました。

次は、「なる前に気をつけましょう」という時代に、早くなるべきでしょう。そのためには「幸せに気をつける」という習慣がもっと世の中に普及して欲しいと思います。

 

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― 健康というと、人は同じような状態を想像すると思いますが、幸せという概念は、個人個人で違うように感じます。

 

隆司氏 | いえ、本当は、健康も幸せも、それほど違わないと思います。健康も多様で、ムキムキなトライアスロンの健康と、静かに本を読んでいる健康とは、違いますよね。

恐らく、幸せは100通りあって、人それぞれ違うから、気にしても仕方ないと、みんなが誤解しているということだと思いますね。

幸せには100通りあるけど、やっぱり幸せにもメカニズムはあって、4つの因子を満たしている人は幸せを感じているんです。

 

 やりがい、繋がり、チャレンジ、個性、それぞれは100通りだとしても、だからといって「幸せなんてみんなバラバラなのだから、放っておいてください」というのは、「私は肉ばかり食べてるけど、好きなんだから放っておいてください、いま健康ですから」というのと同じ誤解なんだと思います。

 つまり、それぞれは100通りであっても、基本というのはある、ということです。健康の基本が「肉ばっかり食べてたんじゃダメで、野菜も食べたほうがいい」というのと一緒です。

健康も幸せも、そうしたリテラシーの一般的な理解が大事という意味で、一緒だと言えますね。

 

《こぼれ話①》終わり

 

幸せも健康と同じように、メカニズムを理解して、自分のことを俯瞰的に見て、気をつけて毎日を過ごすことで、人はだれでも幸せになれるはずなのですが、それを実践していくのは、意外と難しいですよね。

「ヒラクル・ヒントコラム」のバックナンバー、「人は誰でも幸せになれる?《前編》」はこちらから。

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