SALUS Well-being Vol.2の巻頭特集『前野隆司×前野マドカ~幸福学の第一人者・実践者に聞く「人は誰でも幸せになれる?」』の多くのご好評の声をいただいています。ここでは、紙面の制約で掲載できなかった取材内容を、ショートコラムとして連載していきます!
さぁ、どんなお話しが聞けるんでしょう、楽しみですね。
第1回は、「健康と幸せはこんなに似ている?!」です。
隆司氏 | 「幸せに気をつける」という概念が浸透していないのは、「幸せの学問」が遅れてやってきたからだと思います。
「健康に気をつける」という「予防医学」は、100年も前から広がっているので、世の中に浸透しています。
一方で、「幸せの学問」は、研究者から見ると、近年、明らかになってきていることがたくさんありますが、比較的新しい分野なので、一般にはまだ普及していません。
ですから、わたしは、この記事をきっかけに「幸せは気をつけられるんだな」という理解が広まると良いなと感じています。
幸せ、健康と来ると、「心の健康」となりますが、鬱や神経症と言った「心の病」は、「幸せじゃない心の状態」ということになります。
普段から、幸せに気をつけていれば、辛いことがあったら人に相談するとか、意識してリラックスする、“なんとかなるよ”って思うようにするといったように、対処法は色々あると思います。
かつての「恥ずかしくて鬱について人には言えない」というような時代から、近年は「心の風邪」というように、患ったら普通に休みましょうという時代になって来ました。
次は、「なる前に気をつけましょう」という時代に、早くなるべきでしょう。そのためには「幸せに気をつける」という習慣がもっと世の中に普及して欲しいと思います。
隆司氏 | いえ、本当は、健康も幸せも、それほど違わないと思います。健康も多様で、ムキムキなトライアスロンの健康と、静かに本を読んでいる健康とは、違いますよね。
恐らく、幸せは100通りあって、人それぞれ違うから、気にしても仕方ないと、みんなが誤解しているということだと思いますね。
幸せには100通りあるけど、やっぱり幸せにもメカニズムはあって、4つの因子を満たしている人は幸せを感じているんです。
やりがい、繋がり、チャレンジ、個性、それぞれは100通りだとしても、だからといって「幸せなんてみんなバラバラなのだから、放っておいてください」というのは、「私は肉ばかり食べてるけど、好きなんだから放っておいてください、いま健康ですから」というのと同じ誤解なんだと思います。
つまり、それぞれは100通りであっても、基本というのはある、ということです。健康の基本が「肉ばっかり食べてたんじゃダメで、野菜も食べたほうがいい」というのと一緒です。
健康も幸せも、そうしたリテラシーの一般的な理解が大事という意味で、一緒だと言えますね。
《こぼれ話①》終わり
幸せも健康と同じように、メカニズムを理解して、自分のことを俯瞰的に見て、気をつけて毎日を過ごすことで、人はだれでも幸せになれるはずなのですが、それを実践していくのは、意外と難しいですよね。
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